南湖革命記念館
粽子を食べに嘉兴へ行ってきたので
ついでに南湖革命記念館に立ち寄ってきました。
中国に暮らしている人は、ほぼ全員が認識しているかと思いますが
今年2021年は中国共産党成立100周年です。
上海市の街中を歩いていても、100周年の文字をどこでも見かけるようになって来ました。
別に特定の政治思想はありませんが、せっかく中国で暮らしているので
中国共産党の歴史や、どのように国民にアピールしているかを学んで来ました。
ものすごく立派な箱、兼入口です。
党の威信をかけて造っているので理解出来ますが、物凄くお金掛かっていることがわかります。
しかもそれが入場料無料なのでまた凄いです。
ちなみに中国は、普通の博物館(上海博物館や南京博物館など)も無料なものが多く
政治色が強い博物館(南京虐殺博物館、九・一八歴史博物館など)は、当然のごとく無料です。。
記念館の中に入ると先ず目に入ってくるのが鎌と槌です。
農民を表す鎌、プロレタリアート(工業労働者)を表す槌が描かれた
巨大な天井画を見せつけられます。
次に目に入ってくるのは船。
不勉強のため、革命記念館を訪れるまで知らなかったのですが
上海から嘉兴へ移動した際に、南湖の小舟の上で共産党が誕生したことに
なっているのですね。
どの博物館もですが、中国の博物館はまず入口で必ず前言が書かれています。
勉強になるので、個人的には好きです。
展示は先ずアヘン戦争から始まります。
西洋列強が中国を侵略始め、清朝の弱体化が始まった説明が続きます。
世界史の教科書に載っていた写真とほぼ一緒のような…
続いて甲午農民戦争の説明に。
日本の歴史教科書だと甲午農民戦争と日清戦争は分けて書いてありますが
(2021年時点の教科書は知りませんが…)
中国だと中日甲午战争と纏めて記載するのですね…
歴史の繋がりを考えると、確かに同じでも言えるのかと思いますが…
ちなみに"下関条約"は"马关条約"と呼ばれているらしいです。
马关条約と書かれていて、最初何の条約のことかわかりませんでした…
当時の地図。ロシアは熊と描かれ、
日本は日出る国"The rising sun"と描かれています。
ただ、日本国の表情を見る限り、敵役(嫌な国)として描かれていると実感。
↑これって教科書 or 資料集 or 何かで見たことある絵なんだよなぁ…
また日本が深く関わっている歴史の説明もありました。
柳条湖事件の説明↓
ちなみに中国では九・一八事変と言われています。
瀋陽へ行くと九・一八歴史博物館が事件現場に造られており
物凄く詳細な説明が見れます。
ただ、日本人としては肩身が狭くなります…
盧溝橋事件の説明↓
ちなみにこれも北京の盧溝橋博物館へ行くと、
より詳細な説明が見れます。
個人的な考えですが、日本側から見た史実しか知るのではなく
中国側から見た史実が、どのように描かれているかを知っていくことは大事であると考えています。
若かりし頃の毛沢東の写真↓。
まだ湖南省长沙で教師をしていた頃の写真です。
李大钊↓
この記念館の説明によると陳独秀と李大钊の2人が大きく貢献した2人のようです。
特に南側では陳独秀が、北側では李大钊が大きく動いていたようです。
番外編。
南湖革命記念館の入口と正反対にあるスタジアム。
こんな小都市に、こんなでっかいスタジアムを建てるなんて、ただ驚嘆です。
実際に、スタジアム稼働率などは不明ですが…満員になることは少ないでしょう。
日本、というか民主主義国にいたら、これほど共産党の資料と展示には出会えないであろう記念館。
もしお時間あれば、経験として一度訪問しておくのは悪くはないと思います。